ロマンス詐欺の手口・特徴・見分け方【弁護士への返金相談も説明】

目次

近年、被害者が急増しているロマンス詐欺。
被害に遭わないために見分け方や手口・特徴を説明していきます。
もし被害に遭ってしまった場合の返金方法・弁護士や警察への相談方法なども解説します。

ロマンス詐欺の特徴的な手口

2020年頃から急増している日本人を狙ったロマンス詐欺ですが、その手口は、SNSやマッチングアプリで知り合った相手とLINE交換を行い、甘い言葉で恋愛を仄めかし、親密になった後に虚偽の投資話などでお金を騙し取ります。

以下に詳しくロマンス詐欺の手口とその手順や流れを解説していきます。

SNSやマッチングアプリで誘導

ロマンス詐欺はインスタなどの人気SNSやマッチングアプリ・出会い系サイトで日本人のターゲットを探しています。

出会いを求める日本人男性・日本人女性をターゲットに定め、「あなたと仲良くなりたい」「あなたと出会いたい」「あなたに興味がある」など、好意を示すメッセージを送り、コンタクトを取ろうとしてきます。

写真で他人になりすます

ロマンス詐欺では、美男美女の外国人の写真が使用され、医師や軍人などの職業を騙ります。

他人の写真を不正使用していたり、AIで加工・生成した架空人物の写真を使用しているケースが殆どで、実際にメッセージのやり取りをしている詐欺師が他人になりすましていますので、たとえ魅力的な写真を見せられても、騙されないように気をつけましょう。

※写真からロマンス詐欺かどうかを見分ける方法についても後述します。

LINE交換

SNSやマッチングアプリ上で何通かのメッセージのやり取りを行うと、今度はLINEの交換を求めてきます。

ロマンス詐欺師がLINEを交換したがる理由は、SNSやマッチングアプリ上で投資の話や金銭授与の話をすると、アカウントが強制停止になる可能性があるため、それを避けるために、自由にメッセージをおくることができるLINEでのやり取りを求めるのです。

LINEを交換してしまうと、詐欺師から非常にマメにメッセージが送られてきます。

外国人特有の情熱的な言葉や、ストレートな愛情表現を巧みに使い、1日に何十通ものメッセージを送ったり、外国人との恋愛経験に慣れていない日本人はそういったメッセージに騙されやすい傾向があるようです。

ターゲットになってしまった人は「とてもマメな人だ」「自分のことをいつも考えてくれている」「こんなに愛されて嬉しい」と、いつの間にか詐欺師を信用してしまい、メッセージのやり取りを続けるうちに自分たちは親密な関係だと思い込まされてしまいます。

投資話でお金を騙し取る

LINEを交換して親密なメッセージのやり取りが行われる中で、仕事や将来の夢、悩みなどについても語り合ったりすることで、ターゲットの貯金・収入・資産を見計らい、ある程度の信用を得たところで、お金の話を切り出してきます。

• 結婚するための資金を一緒に貯めよう
• 二人で暮らすための家を買おう
• そのために良い投資がある

などといって投資の誘いが始まり、二人の将来のための結婚資金を作ろうという嘘の話で、FX投資や仮想通貨投資に誘導されます。

詐欺師が指定する証券会社で口座を開設させ、指定の口座に送金を行うように指示が行われます。

ロマンス詐欺で使われる証券会社は、殆どの場合が、本物の証券会社をそっくりに作った偽サイトで、詐欺でお金を騙し取る専用の口座になっています。

投資話に怪しさを感じたとしても「相手に嫌われたくない」「この人が嘘をつく訳がない」などという心理から、ターゲットは送金を行ってしまいます。

基本的にロマンス詐欺では、一度でも送金してしまったお金は二度と出金することができません。

そもそも、ロマンス詐欺に使われる証券会社自体が偽物の詐欺サイトのため、

「お金を引き出すためには手数料が必要」
「一定額以上の金額が無いと出金できない」
「あなたの口座は不正利用だから罰金が発生した」

などと、少しでも多くお金を騙し取るために、偽物の証券会社からも請求がくるケースもあります。

相手への好意、虚偽の投資の話などで、冷静な判断ができなくなってしまった相手からお金を搾り取る悪質な詐欺行為です。

仮想通貨の送金を要求される

ロマンス詐欺でお金を騙し取るために、仮想通貨の送金が使われるケースが数多くあります。

仮想通貨で送金を行ってしまうと、送金先ウォレットの匿名性が高い場合などには、送ってしまったお金の追跡や、詐欺師の情報を調査することが困難になってしまうケースが殆どです。

ロマンス詐欺を仕掛ける詐欺師はこのような仮想通貨の特性を悪用し、ターゲットに対して仮想通貨で送金を行うように指示することが多くなっています。

ロマンス詐欺に騙されて仮想通貨で送金を行ってしまうと、弁護士などに返金請求の相談をした場合でも、返金することができなくなってしまう可能性が高まりますので、くれぐれもご注意ください。

そもそも、SNS、マッチングアプリで知り合い、一度も実際に顔を合わせたことのない相手に対して、お金を振り込んだり、仮想通貨を送金すること自体に大きな危険性がありますので、いくらメッセージのやり取りで親密な関係だと感じたとしても、金銭のやり取りは絶対にやめたほうが良いでしょう。

→詳しくは［返金が困難な事例］をご覧ください。

最終的に音信不通になる

ロマンス詐欺の結末は、最終的に音信不通になります。

ある日突然、連絡が取れなくなったり、何らかの理由をつけて別れを切り出されたり、連絡がとれなくなることを告げられることも。

これまでメッセージのやり取りに使っていたLINEアカウント自体が削除されてしまったり、相手との連絡手段がなくなり、一切の連絡が取れなくなってしまいます。

また、送金のために使われた偽物の証券口座サイトなど、ロマンス詐欺に使用された投資サイトも閉鎖・ページ閲覧ができなくなってしまうことも。

このように、ロマンス詐欺だと気づいた時には、親密だと思っていた相手は消え、お金も失ってしまうという、恐ろしい詐欺手口です。

ロマンス詐欺の見分け方

日本人の男性・女性をターゲットに被害が増え続けている国際ロマンス詐欺ですが、「ロマンス詐欺かどうか」を見分けるポイントがあります。

ロマンス詐欺の被害に遭わないようにするためにも、すぐに確認することができるロマンス詐欺の見分け方を説明して参ります。

写真を画像検索する

ロマンス詐欺では、ネットやSNSで拾った画像・フリー素材サイト・海外のモデルやタレントなど、他人の画像を不正利用されているケースが殆どです。

googleの画像検索を使えば、同一の写真画像を検索することができ、ロマンス詐欺であるかどうかを見抜くことが簡単にできます。

しかし、画像検索で同一画像が出てこなかったからといっても安心はできません。

狡猾な詐欺師は、画像合成ソフトやAIを使ってオリジナルの架空の人物写真画像を生成しているケースもあります。

顔が写っていない写真

顔が鮮明に写っていない姿だけの画像や、後ろ姿だけの画像などを使ったロマンス詐欺もあります。

画像検索で同一画像を見つけづらくするために、あえて詐欺師が顔が写っていない写真を使うケースです。

マッチングアプリなどで、鮮明な顔写真を見せない外国人もロマンス詐欺だと疑って良いでしょう。

美男美女の写真

ロマンス詐欺では魅力的な写真でターゲットに興味を持たせるために、イケメン外国人男性写真やモデル風な美女写真を使うケースも多々あります。

海外渡航経験の無い日本人の場合、「外国人だから整っている」「海外はルックスのレベルが高い」と勘違いしてしまいがちですが、海外でもイケメン・美女は希少な存在です。

そんな美男美女の外国人からアプローチがきたら、ロマンス詐欺の可能性を警戒してください。

プロフィールを疑う

過度にセレブなプロフィールや、医師・弁護士・パイロット・軍人・起業家・投資家など、社会的な成功ステータスが高い職業を騙るのもロマンス詐欺の典型的な手口ですので、華やかなプロフィールを掲載している外国人はロマンス詐欺の可能性があります。

プロフィールを見て少しでも怪しいと感じたらロマンス詐欺だと考えて良いでしょう。

投資やお金の話は要注意

常識的に考えて、マッチングアプリやSNSで知り合い、一度も顔を合わせたことのない相手に投資の話やお金の話をすること事態が異常です。

会ったことの無い相手に対して「二人の将来のためのお金を貯めよう」「結婚資金を一緒に作ろう」などと持ちかけてきたら、ロマンス詐欺だと見抜けるポイントです。

ロマンス詐欺師は魅力的な写真・プロフィール・甘い言葉やストレートな愛情表現でターゲットを騙し、お金を騙し取る卑劣な詐欺行為です。

騙されてしまうことがないように、上記の点を冷静に意識していれば、ロマンス詐欺なのかどうかを見分けることは可能です。

ロマンス詐欺の返金を弁護士に相談

ロマンス詐欺の被害に遭ってしまい、騙し取られたお金の返金を考えるのであれば、まずは弁護士に相談することが最適です。

残念なことに、世の中の事例からもロマンス詐欺の返金は不可能なケースが非常に多いのですが、それでも返金請求をなんとかできないかとお考えの場合は、費用をかけずに無料で弁護士に相談するのが良いでしょう。

無料で弁護士に相談

弁護士への相談を考えた場合に、弁護士費用について気になる方も多いと思いますが、弁護士費用には

• 相談料金
• 調査料金
• 着手金
• 成功報酬

など各種の費用が弁護士事務所ごとに異なりますが、ロマンス詐欺の返金相談をする場合には、相談料・調査量・着手金が無料の弁護士事務所を必ず選びましょう。

無料相談で、自分が被害に遭ってしまったロマンス詐欺で、返金請求を成功させられる可能性があるのかをまず聞いてみるのが良いでしょう。

返金の着手金詐欺に要注意

現在、悪質な弁護士、探偵や相談所業者によって行われている【着手金詐欺】が大きな社会問題になっています。

返金が不可能なロマンス詐欺案件に対して、「返金ができるかもしれない」「着手金をもらえれば調査ができる」などと都合の良いことを謳い、依頼者から費用だけを搾取し、「調査結果から送金履歴だけは確認できた」などと、返金ができない案件だとわかっているのにも関わらず、着手金や手数料を先払いで支払わせる卑劣な業者が存在しています。

こちらは東京弁護士会でも問題提起されているものであり、悪徳弁護士による詐欺の二次被害とも言われています。

本来、依頼人である被害者の味方であるべき弁護士が、依頼人からさらにお金を詐取するという絶対に許せない手口です。

私達、詐欺返金請求ナビでは、ロマンス詐欺の返金、特に仮想通貨で送金を行った場合には返金が困難になると、事実をお伝えし、返金が困難なケースにははっきりとその旨をお伝えしています。

しかし、悪質な着手金ビジネスを行う業者は、「ロマンス詐欺の返金ができる」「仮想通貨の追跡ができる」と謳い、ロマンス詐欺の被害者からお金をさらに騙し取ることを狙っていますので、くれぐれもご注意ください。

ロマンス詐欺を警察に相談する

ロマンス詐欺の被害に遭ってしまった場合に、被害内容を警察に相談するのも有効です。

しかし、詐欺師が海外に居住していたり、詐欺師の情報が証拠として不足している場合には、警察でも対応が困難になってしまうかもしれません。

ですが、これまでにも警察によるロマンス詐欺事件の逮捕事例は少なからずありますので、警察が何もしてくれないということではありません。

警察によるロマンス詐欺の逮捕事例

日本の警察がロマンス詐欺を逮捕した事例には、沖縄県在住のナイジェリア人の男性2人の逮捕事案があります。

こちらの事件では、ロマンス詐欺で口座に振り込まれたお金を金融機関で引き出そうとした容疑者2人を逮捕したという経緯で、ロマンス詐欺に使われた口座が判明していたことが逮捕に繋がったようです。

その他にも、大阪府警がロマンス詐容疑でガーナ国籍の男を逮捕し、国際ロマンス詐欺を行う日本人詐欺グループの主犯格とみられる日本人男性の逮捕など、17人もの詐欺師が逮捕された事案があります。

ロマンス詐欺のその他の相談窓口

ロマンス詐欺被害が急増していることに伴い、各種相談機関でもロマンス詐欺に対する注意喚起が行われ、相談窓口が設けられています。

代表的なものでは国民生活センターでは、ロマンス詐欺に関する情報が多数公表されています。

→国民生活センターの相談窓口

ロマンス詐欺は日本人の被害者が多い

国際ロマンス詐欺は日本人の被害者が多く、詐欺師も日本人をターゲットとして狙っています。

日本人は島国という特性上から、海外への渡航経験が無い人が多く、海外の文化や恋愛事情について無知な人も多いため、そこに目をつけた詐欺師がロマンス詐欺を仕掛けています。

日本で普通に暮らしいても出会うことがないような素敵な外国人とマッチングアプリ・SNSなどで知り合ったとしても、ロマンス詐欺である可能性が非常に高いのでくれぐれも騙されないようにお気をつけください。

日本人のロマンス詐欺師

ロマンス詐欺は、外国人が日本人を騙すことから【国際ロマンス詐欺】と呼ばれていますが、過去の逮捕事案からも日本人の詐欺師によるロマンス詐欺グループも存在しています。

マッチングアプリやSNSでは、写真・動画・テキストメッセージの情報しかありませんので、日本人詐欺師が外国人のふりをしてロマンス詐欺を行ったり、日本人の主犯格が外国人を使ってロマンス詐欺をやらせたりなど、許すまじき行為を行う日本人詐欺師もいます。

嘘の話でお金を騙し取るロマンス詐欺は絶対に許せない非道な行為ですが、詐欺師はターゲットの心の隙間を狙い、言葉巧みにお金を騙し取ろうとしてきます。

ロマンス詐欺の被害に遭うことがないように、オンラインでの外国人との出会いには最大限の警戒を持ちましょう。